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ドイツ本大会までの親善試合の戦評


2月11日 アメリカ 2−3 負 11日のアメリカ戦は、恐れていたことがそのまま現実になった。
日本が一番やるべき速い攻めとパス&ランを、全て相手にやられたしまった。アメリカには、親善試合にもかかわらず、前半は本気モードで付き合ってくれて感謝。まあ、これでドイツ大会には期待しないことにする。日本サッカー協会は、今更ジーコ監督を変えたくないであろうから、ふつうに戦術を立てられる実質的に監督に代わって補佐してくれるサブ監督をつけてドイツに臨むしか手がなさそう。
2010年を目指してチームとして強化してくれる経験豊かな代表監督に期待しよう。

ジーコ監督の事前の戦術のアバウトさ、選手起用のお粗末さ、同じくまじめに相手の事前研究をしないで自然体で試合に臨む態度で、大事な仮想オーストラリア戦が全くムダになった。自然体で臨んで勝てるのは大横綱かブラジルくらいのものである。アメリカですら、早い寄せ、サイド攻撃という戦術を徹底してきた、これに対して日本には徹底すべき戦術すら存在していなかった。まったくなすすべの無い試合になり、得るところが無かった。アメリカがノルウェーに1月に5−0で勝っているという情報は、ジーコには届いていなかったのかも知れん。届いていたとしても何もしないかも知れんが。

前半戦の戦い方は、十分に準備期間があるのだから、ふつうは相手を研究し練りに練った戦術で臨むハズ。後半戦はハーフタイムの短時間しか見直し時間がなく、建て直しはうまく行かない。(今日は、後半は相手が休憩モードだったので切替できたが)いつものことであるが、ジーコは、前半は準備不足、後半は大急ぎでの配置転換の繰り返し。ノルウェーに5−0で勝っている相手に、何の戦術も持たずに試合に臨むのは、あきれ果てるだけでなく、相手にたいしても失礼である。世界レベルではいき当たりばったりでは通用するハズがない。事前に相手の戦術を研究した上で、チーム戦術の修正と再確認くらいはやって欲しいが、そのいずれもやらないジーコ監督には、もはや注文することではないのかも知れないと思う今日このごろ。

先発出場した選手同士で、試合の流れの中で、その日にあったシステム、戦術の採用をやらせるのは20年早い。ブラジルにはできても日本には出来ないのである。素人監督の弱さが毎回同じ様にはっきり出るのは、これ以上我慢ならない。召集後は、毎回毎回ゼロからのスタートになり、今のジーコ監督になって以来、蓄積というものが全く感じられない。まるで選手に奮い立たせるために、わざと無様な試合をして、反省をせまることのみが目的であったような試合内容。

これに比べて、アメリカは1998年のフランス大会のグループリーグ3連敗を契機に、2010年に世界の頂点を極めるという長期目標を立て、それに向かって体格、技、速さに長けた若い選手を鍛えて、チームとしてここまで強く出来ている。速い寄せ、パス&ラン、サイド攻撃に徹したチーム強化策であるが、それでもここまで徹底すれば強くなれる、チームにはいかにシステム、戦術が必要かがよくわかる。これでも、今日は欧州チーム所属の選手は招集せず、国内組だけであったが、その一貫した選手強化策は、うらやましい。2002年には差がなかった両チームであるが、いまや世界ランク 7位と、いつまでもアジアでのトップという抜きがたい差が出来てしまった。まったく、ジーコに任せたこの4年間は、選手の力の伸びだけが頼りで、チームとしての力は退化の一途をたどっている。

まあ、収穫としては、2002年以来、選手層も厚くなり、力量は大きく伸びてきたにもかかわらず、システム、戦術無き監督のもとでは、かくもなすすべの無い代表チームになってしまうという点を、再再再---再再再度、確認できたことくらいである。選手も自分が考えてやらねば、監督の戦術を聞き出そうとしても何もでてこないということが、身にしみて分かったと思う。ジーコ監督のもとでは、力量にぬきんでている選手の力でアジアでは通用しても、世界レベルでは、選手と監督の力量の差が出すぎて、話にならない試合しかできない、全く世界レベルではお呼びでないということが改めて証明された。

点差は3−2の1点だけだったが、試合内容はアメリカのワンサイドゲーム。3−0時点から、相手は明らかにスピードを緩めケガをしない程度に軽く流し休憩モードに切り替えた。後半2点取れたのは、3−0になって、アメリカが攻撃を緩めて流し始めたところに、代表選出争いの渦中にある日本の若手がアッピールせんものと活躍したまでであり、試合としての興味は3−0で終わっていた。あのままスピードある攻撃をされていたら7−0で惨敗のケース。

それにしても前半の出来はひどかった。芝の状態、合宿の疲れが言い訳にならないくらいひどい出来。いつも言われる決定力不足うんぬんではなく、ボールをほとんど持たせてもらえないのでは話にならない。 選手個々のコンディションの差もあったのかも知れないが、一番は、チーム戦術ミスと選手の配置ミス。厚くしたはずの中盤を支配されていたのは、全くの戦術ミスと先発選手の得意ポジションの見極め不足。

久保の1トップはいいとしてもトップ下の二人(小野、小笠原)はボランチ向きの選手で前に抜け出るタイプではない。その結果久保は孤立するしかなすすべがなかった。相手はサイド攻撃一辺倒ということは始めから分かっていたことであり、ここは守備に長けた選手を起用すべき。サントス、加治ではあまりにも荷が重たかったし、全く手に負えなかった。ジーコは、この二人を4年間預かって分かりきったことなのに、何も修正しようとしない。ボランチの福西、遠藤もひどかった。ボランチ役は何も出来ずじまいで交代したが、どんな役割で先発したのかが分からなかった。サイド攻撃一辺倒の相手に対して、前線の3人と中盤が離れすぎており、好きなように同じ攻撃を繰り返されてしまった。これでは、ルーズボールをまったくといっていいほど拾えないし、選手がバラバラで簡単にボールを失うケースばかり目立って仕方がなかった。ディフェンス の連携プレーの無さもひどかった。高さがある相手には宮本、田中でなく松田、トゥーリオが必要。コーナーキックのたびに相手に制空権を握られていた。
2月28日 ボスニアH 2−2 分 筆者は、この試合を見ていないので、下記を参照してください。
指揮官と守備面で、大いに問題があります。

     Yahoo!スポーツナビ、宇都宮徹壱氏のレポート