2006年、ワールドカップ、ドイツ大会、アジア最終予選
1次予選を通過した各グループの1位8カ国を4カ国ごとの2グループに分け、ホームアンドアウエー方式のグループリーグを戦い、各グループの上位2チームがワールドカップ本大会の出場権を獲得する。また、各グループの3位同士がプレーオフを戦い、その勝者が北中米およびカリブ海地区から選出されたチームとプレーオフで出場権を争う。
ドイツ2006年・本大会出場枠は、4.5チーム
(2005年、アジア最終予選の方式)
1 | 韓国、サウジアラビア、ウズベキスタン、クウェート |
2 | 日本、イラン、バーレーン、北朝鮮 |
(参考:最終予選のグループ分け)
(グループ2、日本の展望と日程表(2005年2月〜8月))
(プレーオフの日程表(2005年9月〜11月)
試合 | 日程 | 対戦 |
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アジア5位決定戦 | 2005年9月3日 | G1の3位vsG2の3位 |
2005年9月7日 | G2の3位vsG1の3位 | |
プレーオフ | 2005年11月12日 | アジア5位vs北中米カリブ4位 |
2005年11月16日 | 北中米カリブ4位vsアジア5位 |
日程 | 対戦相手 | ホーム・アウェイ | 結果 |
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2005年2月9日 | 北朝鮮 | ホーム | 勝 2−1 |
2005年3月25日 | イラン | アウェイ | 負 1−2 |
2005年3月30日 | バーレーン | ホーム | 勝 1−0 |
2005年6月3日 | バーレーン | アウェイ | 勝 1−0 |
2005年6月8日 | 北朝鮮 | アウェイ | 勝 2−0 |
2005年8月17日 | イラン | ホーム |
(日本の戦評)
日程 | 対戦相手 | 評価点 | コメント |
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2005年2月9日 | 北朝鮮 | 50点 | 何はともあれ、大事な緒戦をロスタイムでの大黒の決勝点で勝点3をあげたのは、良かった。相手のGKの拙さによって、かろうじて勝利をもらったという一戦であった。 しかし、試合内容、日本代表の出来はひどいもので、課題が多く残った。日本戦になると死に物狂いで立ち向かってくる朝鮮半島勢という点を考慮しても、前半は、先制点を上げて以降、緊張や気の緩みから消極的になり、防戦一方であった。後半は欧州組みが活躍し勢いを取り戻したが、攻撃パターンが少なく、あわや、ホームでの最悪の結果でもある引き分けというところまで追い詰められた。次からは欧州組の力に期待したい(特に小野)。格下相手に奇跡的な決勝点など見たくない。今後もツキに恵まれるとは限らない。奇跡は、欧州、南米相手にした時のために、取っておきたい。 |
2005年3月25日 | イラン | 40点 | 資金力にものを言わせて事前にドイツ合宿までやった日本は、その効も無く、戦術、攻撃、守備、気力全てにおいてイランに劣り、完敗であった。双方とも、急遽欧州組みを集めたチームで、試合前の状況は互角であったが、個の力が発揮できたイランが、戦術無き日本を破砕した試合であった。ホームのイランには勢いがあり、しかも昼間の試合でバーレーンがアウェイで北朝鮮に勝っており、同点にできた時点で引き分けネライの戦術に切り替えるべき試合であった。しかし、ジーコ監督の経験不足により、工夫の無い単調な攻めに転じたために、簡単に逆襲にあい、最低限の目標であった勝点ゼロも失うはめになった。イラン監督のツボにまんまとはまってしまった。それにしても次のバーレーンよりは劣るイラン守備陣に対して、全く攻撃の戦術は見られず、勝ち目は無かった。相手は良く日本を研究し、逆に日本はイランのドリブル突破に対しての守備方法の戦術が無かった。選手個々の力は両チームともそれほどの違いが無いが、相手チームの研究、戦術の徹底、試合中の戦術の変更、選手交代などの面において、これほどまでに監督の力量の差がはっきり出る試合もめずらしい。試合前でも選手同士に不安が残った442フォーメーションはギャンブルとも言える策であったが、雌雄を決する大事な試合に「ギャンブル」などして欲しくない。せめてフォワードを生かす司令塔の指名くらいは済ませておいて試合に臨んで欲しかった。この敗戦の結果、ドイツに行くためには、次のホームでのバーレーン戦での勝点3が絶対のノルマになり、一気に厳しい状況に追い込まれてしまった。引き分けでは残り3戦全勝が必要で、絶体絶命のピンチにある。バーレーンはイラン以上に組織、規律、速さがあり、イラン以上の強敵と考えておくべき。日本は早くも崖っぷちに立たされてしまった感がする。次からは、それほど強い日本代表ではないので、監督自らが、先発メンバやフォーメーションの事前発表をして、相手に利することだけはやめて欲しい。 |
2005年3月30日 | バーレーン | 60点 | シュートがワクに飛ばず、オウンゴールで辛勝。主力3人を欠き、しかもアウェイ戦であり、引き分けネライがみえみえのバーレーンに対して、もう少し点が取れると思ったが、持病のゴール欠乏症が、またまた出てしまった。ただ、相手の消極さに助けられ、プレスが効き、中盤を支配でき、守備も落ち着いており、負けは無いと思ったが、なかなか点が入らず、正直、引き分けも覚悟した。ボランチに入った中田英寿の戦況判断、素早い寄せ、フィジカル面の強さばかりが目立った試合。まあ、相手が主力を欠いた面もあったが、絶対に負けられないという試合で、開き直りの気迫が感じられ、最後まで攻撃・守備とも積極性を失わず、失点をしなかったのは評価できる。ただこの3連戦は、ジーコ監督のもとで、2002年ワールドカップ時点の日本代表よりは、強くなるどころか、はるかに力が落ちており、気がかり。今日のオウンゴールによる勝で、ジーコ監督の更迭の可能性が消えたので、残りの3戦も、今日のような崖っぷちに立った気持ちで、最後まで気迫と集中力を持って戦って欲しい。 |
2005年6月3日 | バーレーン | 65点 | 小野選手抜きで、しかもアウェイで、さらに酷暑の中であったが、この勝利は大きい。これで、残り2試合で勝点1を取れば、ワールドカップ本大会に出場できる王手までたどりつくことができた。特に攻守の要として中田英寿の動きが冴えていた。やはり、こういう重要な試合では、中田の戦術眼がチームに落ち着きをもたらしていた。反面、中村、柳澤、加治はいいところがなく、彼らのところで攻撃が途絶えていた感がする。予想通り、酷暑には苦しめられたが、相手のバーレーンもスタミナ切れで、攻撃が単発的であり、ラッキーであった。そのため、守備も落ち着いてできていた。ただ、審判が悪すぎて、試合の興味をそがれたのは、いただけない。 |
2005年6月8日 | 北朝鮮 | 70点 | これでドイツ大会に出場が決まった。この最終予選では、一番楽な戦いであり、しかも、引き分けでもドイツ大会に行けるという安心感から、余裕を持って試合をコントロールできていた。おまけに北朝鮮の攻撃はロングシュートのみであり、攻守にまさる日本が順当に勝てた。キーになる中田英寿、小野、中村を欠いた中で、控組みが身体を張ってよく頑張った。しかし、この試合までの戦いぶりは、お世辞にも強い日本代表とは言えず、あわや北朝鮮に引き分け、イランには負けるし、バーレンとの初戦にはオウンゴールで勝利をプレゼントしてもらったというもたつきがあり、このままでは本大会での活躍はそれほど期待ができない状況である。もともと、ジーコ監督に変えたネライは、前回以上の成績つまり本大会で8位以内を目指したものであり、それがいつの間にか本大会出場が唯一のネライにレベルダウンしており、何としてもチーム力の強化を図るべき。1年の準備期間があるのだから、もっと伸び盛りの若手を使ってみてはどうかと思う。 |
2005年8月17日 | イラン | |
展望:
最低でも、北朝鮮には2勝、イランとは1勝1負、バーレーンとは1勝1分けで、合計で、4勝1負1分けになり、勝点13が確保でき、グループ2位にはなることができる。
そのためにも北朝鮮戦での取りこぼしは致命的になる。ただ気になるのは、今の日本代表には、こうすれば勝てるという必勝パターンというか戦術の徹底が見当たらないことである。ジーコ監督になって以来2年半になるが、未だにこれといった戦術が無く、厳しい最終予選では、見通しが立てられないのが正直なところである。
1、2戦目が重要:
緒戦の北朝鮮戦はホームでもあり3点差以上で勝ちたい。
そのためには、攻撃のオプションを準備することが重要。引いて守る相手への事前の作戦徹底が必須であり、選手の自主性に任せるなどの無策ではダメ。ワンタッチプレーによるスピードアップ、ミドルシュート、ゾーンディフェンスによるカウンター攻撃の封鎖など、しっかりと選手に徹底しておく必要がある。
2戦目のイランはアウェイであり、最悪でも引き分けが欲しい。そのためにも、守りの徹底とバックの積極的な攻撃参加が必須。また、ケガで休んでいる小野、久保の復帰が望まれる。中田も必要。
北朝鮮に引き分け、イランには負けなどは悪夢であり、そうなったら前々回の加茂監督同様で、ジーコ監督は更迭必至。
一次予選のページにも述べましたが、ジーコ監督の指揮には大いに疑問符がつけられます。
平素は、日本にいないでので選手選抜もいいかげん、特にチームとしての戦術、規律、ゲームプランも決めず、対戦相手チームの研究もせず、試合後の反省ミーティングも無し、といった監督では、この最終予選は非常に厳しい。選手を選ぶのは監督だが、あとは選手同士でよく話し合って戦術を決めなさいというのは、個のレベルが非常に高いブラジルでは通用しても、世界レベルにほど遠い日本では、とるべき方法では無い。代表監督としての経験が全く無い監督にドイツワールドカップを託すのは、無免許運転のクルマに乗せられているようで、非常に不安。